世界のトイレ
この違いはどこから来たのだろう。違いは社会インフラ整備の違いにつきるだろう。電気、ガス、上水道普及率と下水道普及率の違いから、家庭製品。設備の普及に大きな開きが出てしまったのだ。出遅れたトイレの水洗化は、今もその後遺症の中にある。仮に水洗トイレに課題がたくさんあると意識している人がいたとしても、好き好んでくみ取り便所を積極的に支持する人は少ないだろう。いずれは水洗化の流れの中に入っていくことになる。だからといつて、くみ取り便所を単純に否定するのではなく、また水洗トイレを現状のままで容認するのではなく、水洗トイレがかかえる課題を改善したり、水洗化以外に選択肢はないのかについて考えてみたい。トイレで世界をめぐる個人的体験世界最高のトイレ、世界最悪のトイレコラム「カッサバの葉」P(26)で書いたウガンダでのナイル川調査を終えると、空路でスーダン南部の街ジュバに入った。滑走路は舗装されてなく、着陸するとラテライト(赤色土)の赤い土ぼこりが舞った。この先どうなることだろうといささか不安になつた。現在のジュバは、その当時からくすぶつていたスーダン国内のアラブ人と黒人とのあいだの南北紛争が激化して、旅行者はとても入れない状態にある街だ。
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